2020年、世界が経験したことのないパンデミック(世界的大流行)を体験しています。
ちょうど100年前に大流行したスペインかぜを体験した人は、現在ではほとんどいませんから、全人類が初体験であると言っても良いでしょう。
運動できる施設は閉鎖され、団体で楽しむスポーツもできなくなり、趣味としてやってきたことさえ全部を中止せざる負えない状況となりました。
スポーツジム、水泳、テニス、卓球、エアロビクス、フラダンス、太極拳、健康体操、ヨガ、ピラティス、日本舞踊、社交ダンス、ゲートボールなど、健康維持と楽しみのために続けてきたものが出来ない状況となったのです。
その代わりに、多くの人が始めたのがウォーキングです。
代わりというべきか、ウォーキングかジョギングだけしか残されていなかったというべきでしょう。
この先いつまた、未知のウィルスが大流行するかは誰にもわかりません。その時のためにも唯一残された運動であるウォーキングを効果的に行うことが、健康を維持していく上で重要になってきます。
ウォーキングの心得的な知識と効果を出す方法をこの記事では書いていきます。
目次
一日20分のウォーキングで効果を生み出す方法
この記事のタイトルは、「一日20分のウォーキングで効果を生み出す方法」とあります。
ウォーキングは気軽に始められる運動として、とてもハードルが低いものですが、逆に言うと、20分で効果が出るようなウォーキングをしている人をほとんど見かけません。
もも裏歩きウォーキングは、正しい歩き方であるため、20分で十分な効果を得られます。
その方法をまずは簡単に説明していきましょう。
1,姿勢を作る。こちらの記事を参考にして下さい。
2,つま先は10°~20°開く。(X脚の人はつま先を真っ直ぐに)
3,足を動かす時のすべての意識を前ではなく後ろに変える。
4,初動動作をもも前ではなく、お尻に変える。
5,お腹からではなく、みぞおちから歩く。
6,膝を伸ばしたまま、もも裏の筋肉を意識し股関節を後ろへ引く。
7,もも裏の筋肉で股関節を後ろに引きながら、足首で外に逃げていく重心を内側へ戻す。
8,足首で地面を後方に押しながら、足の指で地面を押す。
9,逆側の足が地面についた瞬間から、初動動作のお尻を使い始める。
10,これを繰り返しながら歩く。
これが、20分で効果を生み出すウォーキング法です。
難しいと思った人、簡単と思った人がいるとお思いますが、この歩き方にはすべてが詰め込まれています。各ポイントは他の記事でこれから書いていきますのでご了承下さい。
私の著書には、これらの使い方を細かく記してありますので、早く知りたい方はそちらをお読みになって下さい。
ウォーキングが体にもたらす効果とは?
ウォーキングには、高血圧予防、心肺機能の維持、骨の強化、ダイエット、腰痛の改善など、生活習慣病やQOL(生活の質)を向上させるために必要なことがたくさん含まれています。
目的はそれぞれであっても、副産物として健康に良いことが、たくさんおまけで付いてくるようなものです。続けない意味がわからないくらい体に良いと言えます。
運動なのだから、血管や内臓にも良い影響があるのくらいは、誰でも何となくわかります。
そこでこの記事では、興味深いものだけをピックアップしていきましょう。
ランニングとウォーキングの違い
ウォーキングより負荷の高い運動が、ジョギング。
ジョギングより負荷の高い運動がランニングとされています。
主に、1時間のに何キロ進む運動であるかを指標として、どれくらいの運動負荷があるのかで分けられているのです。
メッツ(METs)という指標が厚生省でも使われています。
安静時を1メッツとして、他の動きを何メッツなのかで計る指標です。良かったら下の外部リンクを参考に調べてみて下さい。
自分の基礎代謝が計算できる。国立健康・栄養研究所のホームページhttps://www.nibiohn.go.jp/eiken/hn/modules/kisotaisya/index.html
色々な運動や動作のメッツ(METs)指標。国立健康・栄養研究所のホームページ
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf
この辺は、運動強度の数値化した話なので、心拍数が上がればそれだけ強い負荷がかかるので、当たり前といえば当たり前です。
世の中には、ジョギングやランニングが大嫌いな人がたくさんいます。
なぜジョギングやランニングを嫌うのか?
基本的に運動嫌い、息が上がるのがいやだ、疲れるのがいやだ、足が痛くなるのがいやだ、関節が痛くなるからいやだ、つらいのがいやだ、筋肉痛がいやだ、そんなことを思う人です。
実は、私もその一人です。だからよ~く気持ちがわかります。
運動を嫌う原因にもう一つあるのはご存知でしょうか?
私もその一人なのですが、【元来の心肺機能が強くない】という人が多数いるのです。生まれ持った資質というものがあるのです。
そういう人は、他の人と同じ負荷、同じ距離でも強く疲労感を感じます。よく言われるランナーズハイなどとは無縁なのです。ハイになるどころか辛さが増していくばかりなのです。
ですから、意地でもランニングはしないことでしょう。
元来の心肺機能が強くない人にオススメなのが、やはりウォーキングです。しかし、もう少し負荷を与えて、筋肉をつけたいという人も多いはずなのです。
そんな人にも先程の20分で効果が出るウォーキング法を実践することで、十分に運動強度を上げられるのです。ジョギングを越え、ランニングの効果に近づけることができるのです。
つらい思いをせずに、足が痛くなることなく、目的を果たすことができるようになります。
ウォーキングによるダイエット効果、脚痩せ効果
・時速4キロ(分速67m)30分
= 95カロリー、歩いた距離2000m:体重60キロの場合
・時速4.8キロ(分速80m)で30分
= 110カロリー、歩いた距離2400m:体重60キロの場合
・時速5.6キロ(分速93m)で30分
= 135カロリー、歩いた距離2800m:体重60キロの場合
ウォーキング消費カロリー早見表を作ったので参考にして下さい。
代謝の持続時間の問題
カロリー消費量は大体わかりました。カロリーとは熱量、すなわち体温が関係してくるのですが、ここでもう一つ見逃せない大切なことがあります。
白筋(速筋)と赤筋(遅筋)の問題です。
筋肉の種類分布は、生まれるつき決まっていると言われています。
陸上競技で短距離が得意な選手と、長距離が得意の選手がいるのは、個人の筋肉分布が違うからと言えます。
白筋(速筋)は、太くなりやすく、温まるのにも時間がかかります。
赤筋(遅筋)は、温まるのに時間がかかりませんが、太くなりづらいという特徴があります。
この違いは何からくるものなのか?
それは、毛細血管の量に関係していたのです。
赤筋(遅筋)は白筋(速筋)に比べ、毛細血管が多く、熱量が持続するのです。それに比べ、白筋(速筋)は、温まるのに時間がかかり、冷めるのも早いことになります。
言わば、
赤筋(遅筋)は、保温性の高いマホービン。
白筋(速筋)は、すぐ冷めるガラス。
運動したあとの代謝持続時間に大きな影響を与えているのです。
残念ながら、これらを証明する論文は、未だ出されていませんが、筋肉の種類により毛細血管量が違うことを考えると、代謝持続時間の推測ができるわけです。
同じものを食べても、同じ運動をしても違いがでる
食事を3食同じ量で、同じものを食べていても、違いが出てしまいます。
まったく同じ時間、同じ運動をしても、違いがでるのです。
全くもって、人生は不公平としか言いようがありません。
人間は、食事をするだけでも体温が上がります。しかし、その上がった体温を持続している時間が違ったのです。
元々の赤筋(遅筋)が多い人は、新陳代謝がUPして持続していたのです。
ウォーキングにおいても、消費カロリーは決まっていますが、その後の代謝がUPしている持続時間に違いがあったのです。
ですから、ウォーキングでダイエット効果が出やすい人と、ウォーキングしてもちっとも痩せていかないと悩む人に別れてしまうわけです。
歩き方を間違えると、脚痩せ効果どころか、足太り効果も
多くの人は、歩き方を間違えています。
お尻や太もも、ふくらはぎ、アキレス腱をシェイプアップしたいと考えウォーキングを始める人もいますが、正しいあるき方でなければ、逆に太くなってしまうのです。
その原因はは次のとおりです。
1,姿勢ができていない。
2,足を前に出している。
3,初動動作が太ももの前。
4,股関節を後ろへ動かしていない。
5,後ろへ動かさないので使わない筋肉がいっぱい。
6,足首と足の指を使っていない
などが挙げられます。
ウォーキングによる脚やせ効果を得るには、記事の冒頭でお話した正しい歩き方を身につける必要があるのです。
ウォーキングの距離と時間
距離や時間は、ウォーキングの目的や、持って生まれた筋肉の種類により異なります。
ウォーキングの目的がダイエット
最低1時間は必要です。距離で言うと4キロ以上。
さらに白筋(速筋)が多い人であれば、食事制限も必要となるでしょう。
20分以上の有酸素運動でなければ、脂肪は燃焼されないと言われてきましたが、開始直後より脂肪も燃焼されていることが証明されています。
但し、最初の20分で使われるのは、糖質が多く、20分以上の有酸素運動から糖質よりも脂肪が使われるようになるようです。
また、効率のよい脂肪燃焼効果をだすには、空腹時が良いとされています。糖質を使い果たしている時こそ、すぐに脂肪を使うチャンスであるということです。
ウォーキングの目的が関節保護や筋力強化・維持
正しい歩き方であれば、1日20分を目安として歩くだけで十分になります。距離で言うと1.5~2.0キロ。
その訳は、正しいウォーキング法である【もも裏歩きウォーキング】は、運動負荷が非常に高くできています。
ランニングには劣りますが、筋肉にかける負荷としては、ジョギングよりも強い上に、関節への衝撃は穏やかであります。
正しい筋肉の使い方と、正しい関節の使い方をするので、関節のゆがみやズレを防ぐことにもなります。
筋肉痛になる人が多い
歳をとると筋肉痛が遅れてでると世の中では言われてきましたが、これは間違いということが分かっています。
筋肉痛が体にでるスピードは、運動負荷の強弱によって決まるのです。
弱い負荷の運動を長時間続けたところで、筋肉痛にはならず、短時間でも強い負荷を与えると筋肉痛になるのです。
それだけ歳を取ると、体への負荷を無意識で抑えてしまうと言えます。
また、筋力量が減っているので、強い負荷を与えられなくなっている人や、関節が固まりすぎていることで、筋肉が大きく収縮しないことも、筋肉痛にならない原因でもあります。
間違った歩き方をしていた人が、正しい歩き方に変えると、今までに使っていない方向に関節を動かすことになるので、使われていなかった筋肉を動かします。
これが、負荷が弱いと言われるウォーキングでも、正しい歩き方をすると筋肉痛になる人が多い理由です。
ダイエット目的であれ、筋力目的であれ、ウォーキングをしていて体のどこかに痛みが出てしまっては、元も子もありません。
正しい歩き方は、体を傷めない歩き方でもあるので、ウォーキングをするすべての人ができるようになることが理想と言えます。
ウォーキングをして、膝が痛くなる人は、こちらの記事を参考にして防いで下さい。
この記事のまとめ
・世の中でウォーキングの重要性が注目されている
・正しく歩けば、20分のウォーキングで効果を得られる
・正しく歩くとジョギングより効果がある
・ジョギングやランニングより関節への負担が少ない
・体重や歩く速さによって消費カロリーが変わる
・生まれ持った筋肉の種類にも消費カロリーは関係する
・間違った歩き方をすると、足が太る
・ウォーキングの目的によって、距離や時間は変わる
・筋肉痛が遅れて出るのは、歳のせいではない
・ウォーキングで体を傷めないために、目的が違えども正しい歩き方は必要
このブログは、とても役に立ちました。
私は74歳、毎日ウォーキング、こうやって歩ける事に感謝しながら、続けます。
ありがとうございました。