ウォーキングの際に膝が痛くて悩む人はたくさんいます。
一つは、「日常の生活では痛みを感じないがウォーキングすると痛みが出た」という人。
もう一つは、「膝に痛みがあるのでウォーキングから始めて下さい」と言われた人。
膝の痛みはなかったのにウォーキングを始めると痛み出した人と、膝が痛いのでウォーキングを始める人がいるのです。
正しく歩いていれば、ウォーキングを始めたからといって膝に痛みが出ることはありません。正しく歩いていれば、元々、膝に痛みがある人にとっても、膝を守る運動となります。
この記事では、長くウォーキングを続けるために、膝を守るための方法を書いていきます。
目次
特に原因もなく痛みが出る人限定
この記事は、スポーツや怪我などで膝が痛くなった人向けではありません。
原因があきらかである場合は、病名が付くことでしょう。
例えば、内側側副靱帯損傷、前十字靭帯断裂、半月板損傷、オスグッド・シュラッター病、離断性骨軟骨炎、骨折、棚障害など、スポーツの種類や年齢によって、痛める場所にも特徴があり、レントゲンやMRI検査によって、あきらかな診断が付きます。
その場合は、固定や手術といった処置を素早く受けることが大切です。
しかし、スポーツや怪我の原因がなく、ただ日常生活を送っていただけなのに、もしくは、ウォーキングしていただけなのに、膝が痛いと感じている人がたくさんいるのです。
レントゲンやMRI検査を受けても、特に異常がなく、炎症を起こしていたんですね、と言われてしまうのです。
炎症?そうなんです。痛みとは炎症。
どうして炎症が出てしまったのかを知りたいはずです。実は、ちゃんとした原因があるのです。それをお伝えします。
ウォーキング始めて膝が痛くなる人
ウォーキングを始める年齢はバラバラです。スポーツをしない20代30代40代の方でも気軽に始められて、運動不足を解消し、ダイエット目的で始める人も多いことでしょう。
ウォーキングではなくても、長時間歩いた時の歩き過ぎや通勤時に膝の痛みを突然感じる人も少なくありません。
気軽に始められるウォーキングですが、歩き方を間違えると膝が痛くなり、歩くことが遠のき、余計に運動不足に陥ったという話もよく耳にします。
ただ歩いただけなのに、どうして膝が痛くなったのだろう?そんな疑問を払拭できずにいる人がほとんどです。
しかし、膝が痛くなるのは必然であったとしたら、驚きませんか?
姿勢の崩れ、背骨のゆがみ、関節の可動域などに問題があり、その問題に気付かずまま、その問題を抱えたまま歩くことで、痛みと変わるのです。
正しく関節や筋肉を動かしているつもりであっても、偏った使い方になってしまい膝の一部分に負担を与え、痛みとなって現れているのです。
その理由もこの記事によって知ることができます。
膝が痛いのでウォーキングを始める人
年齢層は40代~80代まで様々で、特に女性は閉経後に骨が急激に弱るので、膝に痛みが出る人が多いのです。膝の痛みで整形外科や治療院を訪れて、体重が重い、筋力が足りないと言われて、膝に負担の軽いウォーキングから始める人たちです。
その中には、軟骨がすり減り、関節の間が狭くなる「変形性膝関節症」という診断を受け、どうにかしようと必死にウォーキング始めている人もいることでしょう。
ここで、一つ疑問に思ったことはないでしょうか?
いいえ、誰も疑問に感じていないことがあるのです。
それは、原因もなく膝が痛み始めるのですから、普段の生活で何かしらの膝に悪いことをしているのではないか?と考える人がほとんどいないのです。
膝を痛める時というのは、膝に体重が掛かっているときです。立っている時と歩いている時です。日常生活では、それ以外にありません。
立っている時の姿勢はこちらの記事を参考にして下さい。
立っているときを除くと、残るは歩いている時。
そもそも歩き方が悪くて痛くなった膝なのに、ウォーキングという歩く行為で膝を守ろうとしているわけです。
そのまま歩けば、さらに悪化するのは素人でもわかるようなものですが、そこに気づく人は、まずいません。ひたすら自己流で時間や歩数、距離を目標に歩いているのです。
正しい歩き方を習ってから、膝のためのウォーキングを始めるべきなのです。
膝の痛みは、ストレッチや筋トレでは治らない
・ウォーキングによって膝が痛いと感じた人が調べることと言えば、ストレッチや筋トレです。
・この膝が痛くなったのは、どこかの筋肉が固まっているせいではないのか?
・それとも、筋力が足りないのに、いきなり歩いたからなのでは?
・自分でできる膝の痛みを取る方法があるのではないか?
そう考えるわけです。
そして、ウォーキングをしばらく休み、ストレッチを筋トレを自宅で始めるのです。ストレッチは良いとして、その筋トレは本当に膝が痛い人向きであるのかは疑問です。
例えばスクワット。
もも前の筋肉を固くし、股関節の動きを悪くしてしまいます。
膝を上げるもも上げ。
股関節の付け根(腸腰筋)を固くしてしまいます。
足を伸ばして行う足上げ。
腰に力が入り、反り腰を強くさせてしまいます。
寝て行うすべての筋トレは、体重を膝に掛けないで行う動作なので、歩く時とは筋肉の使い方が違うのです。
その結果、使えない筋肉を固くして、さらに歩き方を悪くさせることにもつながります。
筋肉を付けたところで、決して歩き方は良くならないのです。
筋トレやストレッチによって膝の痛みが消えたのではなく、ただ炎症が収まっただけに過ぎないのです。
膝の痛みも収まったので、もう一度ウォーキングを再開します。
今度は痛くならない自信があったのに、また痛くなり始めるのです。努力は必ず報われるわけではないのです。
こんなんだったら、何もしないほうがいいわ!となり、全てをやめてしまうことにも成りかねません。
ウォーキングトレーナーが未熟である
では、歩き方を習うとしましょう。世の中にはウォーキングトレーナーと呼ばれる人はたくさんいます。その経歴をご存知でしょうか?
モデル上がり、スポーツインストラクター、元長距離走の選手、そしてど素人。
膝に痛みが出た人を治療したこともなければ、どうして痛くなったのかも知りません。そして何より、膝が悪くなっていく過程を診たことがないのです。
膝が痛い理由、膝が痛い原因を机上の知識しか持ち合わせていないのです。
背筋を伸ばし、かかと重心のまま、腰(お腹)から歩くモデルのウォーキングを基本としたものです。決して腰や膝を守るような歩き方ではないのです。
人それぞれ骨格の固まり方が違う
・骨盤がどの方向に倒れているのか
・背骨のどこが動かなくなっているのか
・股関節がどっちに動きづらいのか
・O脚なのかX脚なのか
・膝が伸び切るか、伸び切らないか
・足首が外に倒れているか、内に倒れているか
など、体の各所に違いがあります。
ウォーキングを指導する上で、その人の体を見立てられる能力が必要なのです。筋肉が付いているかどうかだけで判断するには、不十分であることがわかります。
ウォーキングをして膝が痛いと感じる原因
一般的に言われる膝の痛みは、
・炎症
・水が溜まる
・靭帯が伸びる
・半月板が傷つく
・関節を包む膜が伸びる
・軟骨が擦り減る
・筋肉を痛める
・骨に筋肉が付着するところが腫れる
・筋肉が腫れる
これらの原因により膝が痛むとされています。
しかし、捻ったわけでもないので筋肉は伸びていない、関節が痛むほど長距離を歩いていない、腫れもない、水も溜まっていない、レントゲンでもMRIでも異常がない。
それなのに膝が痛む人は、いったい何がどうなっているのでしょう。
誰も知らない最初の膝の痛みとは?
初めての痛みの特徴は、「うっ、何?」「何だ!この痛み」という感じで突然痛みます。
激痛で受けなくなるようなことはありませんが、関節の中の方で、瞬間的に強く痛むのです。
少し、歩いていると痛みも消失し、「あれっ?さっきの痛みは何だったのだろう?」と思うのです。そのうち痛みが出たことさえ、忘れてしまう人もいます。
水が溜まる、炎症を起こす、腫れるだけではない
その後、膝に水が溜まるわけでもなく、炎症のせいで熱くなるでもなく、腫れるわけでもなく、普通に生活できてしまうのです。
しかし、その時痛かったという事実には、変わりありません。
いったい何の痛みだったのか?
そして、忘れたころに再びあの痛みが始発するのです。今度は、前回よりも少し痛みが長引いたりする人もいます。不安になって、整形外科を受診するも、異常なしと診断を受け、湿布を処方されて帰るのです。
痛みとは、人間の防御反応と言われています。痛みで体のどこかに異常が起きていることを知らせてくれているのです。
あまりに痛みが強いと、精神を守るために気絶すると言われています。また、痛みを感じなくさせるホルモンも多量に分泌されて、精神を守るとも言われています。
では、本題の誰も知らない痛みの原因を述べていきましょう。
膝の関節がズレたままぶれる事
本来でしたら、上記の図のように膝にかかる荷重は均等でなくてはなりません。均等と言っても、内側に65%、外側に35%くらいだと言われています。
赤く塗られている部分が荷重を受けている範囲です。正常だと全体が赤くなって、均等に体重を受けていることがわかります。
すねの骨がずれてしまうと上記のような図になります。
基本的には全体で荷重を受けていますが、特に体重が重くのしかかる所が出てくるのです。それが、赤い部分です。歯の噛み合わせのようなものです。
すねの骨がずれることによって、荷重を不均等に受けることになるのです。
そして、不均等な荷重のまま、内や外にぶれながら歩いているのです。ぶれる度に体重の2倍以上の偏った荷重が、膝の内部に衝撃を与えているのです。
膝の軟骨が減っても痛みを感じていない!
軟骨が擦り減ると痛みがでると思いがちですが、実は、軟骨には神経がありません。
膝の軟骨ではなく、別のところで痛みを感じているわけですが、半月板にも神経があります。しかし、MRIをとっても異常がないと言われることが多いのです。
上記の図の緑の線は、骨の中の神経です。ハバース管と呼ばれる管が通っていて、その中に血管、リンパ、神経が通っているのです。
そんなところで痛みを感じるの?
地面からの衝撃は、かかとから伝わり、半月板と軟骨で吸収されるはずですが、荷重が不均等になると、衝撃を偏って受けることになります。
クッションを上からでもパンチされると衝撃が来ますよね?
それと同じことが人間の膝でも起きているのです。
半月板と軟骨を介して、骨の中の神経にまで衝撃が届いて、痛みを感じているのです。
これこそが若い20代、30代、40代であっても、膝が痛いと感じる最初の原因なのです。
指で押しても痛くないですが、針で刺されると痛いですよね?
重みを受ける面積が小さくなることで、衝撃が集約されて1点に加わることで、痛みを感じているのです。ですから、炎症が起きずとも、半月板が損傷していなくても、どこも腫れた感じが無くても、痛みを感じてしまうのです。
筋肉や関節の使い方が悪くて、膝が数ミリずれてしまったせいで、荷重が不均等になっていますよ~と、体が教えてくれているのです。そのままの歩き方では、本当に膝を壊してしまうよ~と、警告してくれているのです。
早く、それに気付いて歩き方を変えてほしいと、体が訴えていることになのです。
体重が膝の真ん中に掛かり続けること
このように、若い人であっても、膝が痛む原因をお解りいただけたと思います。
膝のへの荷重は、ほんの数ミリのずれで変わってしまいます。そのずれを起こす最大の原因は、歩き方に他ならないのです。
膝への荷重が均等にかかり続ければ、軟骨も減ることなく、半月板を痛めることなく、水も溜まることなく、骨が変形すことなく、自分の膝で一生使い続けることが可能なのです。
元々、歩き方が悪くて、膝が痛くなっている
膝が痛いのでウォーキングを始める人は、なおさら正しい歩き方を知らなければなりません。歩き方が悪かったせいで、膝に痛みが出たのを知らずに、その悪い歩き方のまま膝のためにと思いウォーキングをしているのです。
知らないのであれば習うべきなのですが、自分が悪い歩き方であることすら知らない人で溢れているのです。
もも裏歩きウォーキングをすることで、膝の数ミリのずれは、補正されます。正しい筋肉を使い、正しい方向で関節を使うことにより、矯正されてしまうのです。
ウォーキングを始めることで、膝に痛みがでたのであればもも裏歩きウォーキングを習得して下さい。
この記事のまとめ
・なんの原因もなく膝が痛くなる人がたくさんいる
・ウォーキングを始めて痛くなる人は、骨格に歪みが出ている
・膝に痛みがあってウォーキングを始める人は、まず歩き方を習うべき
・ストレッチや筋トレでは膝の痛みは良くならない
・世の中のウォーキングトレーナーは未熟である
・膝に痛みがあっても、レントゲンやMRIで異常なしと言われる人が多い
・膝の痛みには、炎症のせいではない他の原因がある
・膝のずれにより不均等の荷重がかかる
・膝の軟骨には神経がない
・骨の中の神経に衝撃が伝わって痛みと感じている
・膝への体重が均等であれば、膝は長持ちする
コメントを残す