目次
姿勢が悪いと、誰かに言われたことはないですか?
私達は、日常生活において何も気にすることなく、立っています。
同じ立ち姿を見ても千差万別です。背中を丸くする立ち方をしている人、お腹を出す立ち方をしている人、頭が前に出る立ち方をしている人、背中に定規でも入っているかのような立ち方をしている人など、様々です。
しかし、立ち方に個性はいらないのです。どこかに癖のある立ち方をしている人は、間違った姿勢で立っているのです。正しい立ち方をしているつもりが、傍から見ると姿勢が悪い人に見えているのです。この記事では、本当に正しい立ち方について、お伝えしていきます。
きれいな立ち方は、疲れない立ち方である。
正しい立ち方は、正しい姿勢によって作られます。姿勢が悪ければ、体がゆがみ、背骨がゆがみ、関節が動かなくなり、自分で正しい形を作ろうとしても作れなくなるのです。
そのためには、正しい姿勢というものが、どういうものなのかを知らなければ、姿勢の作り用もありません。世の中には、たくさんの間違っった情報も溢れているので、もしかしたら、本当は間違っている姿勢を正しい姿勢と勘違いしている人も数多くいるのです。
「姿勢を正す」「姿勢をよくする」この言葉のほんとうの意味を知ることこそ、きれいな立ち方であり、美しい立ち方であり、疲れない立ち方であり、かっこいい立ち方になるための条件とも言えましょう。
きれいな立ち方は、どうして疲れないのか?
まずその疑問にお答えします。
・余計な筋肉を使わずに立っている
・体の軸を骨のバランスでとっている
・左右と前後の重心がシンメトリー化している
・背骨の一つ一つで重みを分散している
これらを癖にしている人です。
簡単に自分の体に癖付ける事ができる人もいれば、そう簡単ではない人もいます。その違いはどこにあるのかを見ていきましょう。
きれいな立ち方、正しい姿勢を癖にしやすい人
・背骨に柔軟性がある
・下腹部の筋力がある
・背筋がある
・股関節が柔らかい
・もも前が柔らかい
・膝が正常
きれいな立ち方、正しい姿勢を癖にしにくい人
・背骨が硬い
・背骨が悪い形で固まっている
・下腹に力が入らない
・便秘、頻尿
・股関節が硬い
・もも前が硬い
・膝が伸び切らない
・膝が伸びすぎる
・背筋が落ちている
・いかり肩
・ストレートネック
このように分けられます。年齢を問わず正しい姿勢をすれば、きれいな立ち方ができるようになると、言いたいところですが、とくに背骨が固まってからの年月は重要になります。
30年40年物の猫背は、椎間板も狭くなり、背骨の変形も進んでいる人が多いので、完璧な軸を作ることは難しくなります。しかし、この記事に書いてある姿勢を維持するように努力すれば、近づくことが出来れば、老後の健康に多いに役立つことでしょう。
腰痛を治す立ち方は、きれいな立ち方である
腰痛持ちと呼ばれる人の立ち方は、必然的に悪い立方です。それと同様に反り腰や、猫背も同じことが言えます。ですから、反り腰を治す立ち方も、猫背を治す立ち方もすべて一緒なのです。
正しい立ち方は、世の中で一つしかありません。
それをマスターさえすれば、腰痛や猫背、反り腰などの悩みを解決する手段となります。
腰痛や猫背の立ち方はいったいどこが悪いのでしょう?
腰痛になる立ち方は、上半身の重みをすべて腰で受けているからです。
猫背になる立ち方は、体の中心より背中が後ろにあるからです。
反り腰になる立方は、骨盤を前に倒した分、上半身が後ろに来るからです。
すべて、間違った重心のまま立っているからなのです。
正しい姿勢を作るための条件とは?
・体の軸に背骨を良い形に保つこと
・背骨を良い形に保つ体幹の筋肉を使っていること
・この2つを癖にしていること
たったこれだけなのです。
【天井から引っ張られる感じ】【背筋を伸ばす】【肩甲骨を寄せる】【アゴを引く】【胸を張る】これらの姿勢を良くするために用いていた行動は、すべて誤りなのです。
こちらのYou Tubeでも説明していますの御覧ください。
これらを意識してしまうと、逆に重心が悪い位置に移動してしまうことになるのです。今までの常識を捨てる必要があります。
では、正しい重心とはいったいどこなのか?知る必要が出てきます。今まで体の重心など考えたことも、意識したこともない人は、今日を境に変える事ができます。
正しい立ち方は、足裏の真ん中重心である
立ち方が悪い人のほとんどが、踵(かかと)に体重が乗ってしまった踵重心です。
この踵重心を、土踏まずくらいまで真ん中に寄せる必要があります。
つまり、足裏の真ん中に全部の体重が乗っているときこそ、正しい位置に体の軸がある状態です。
しかし、これを小手先で踵から足裏の中央へ移動してもしょうがないのです。すこし、足首を上に起こすようにすれば、体の重心は勝手に前にいきます。これではダメなのです。
足首を使って重心を前に移動すると、必ず腰が反ってしまいます。しかも土踏まずを超えて、つま先まで移動してしまうことにもなります。まさに「反り腰」「つんのめる」状態なのです。
正しい姿勢で正しく立つためのポイントは、体のどこを使って重心を中央に保つかです。上の図にあるように姿勢は、下腹部から胃までのラインで作られます。肩を寄せたり、頭だけを体の上に乗せたり、アゴを引いたり、背中を伸ばすような行為は、全く必要ないのです。
では、実際に下腹部から胃(みぞおち)までを使った正しい姿勢の作り方を見てみましょう。
正しい立ち方に必要な正しい姿勢の作り方
正しい姿勢を作る上で、体で使う場所はたった2つ。
・下腹部を締める(骨盤を立てる)
・みぞおちを出す(胸腰椎部を前に出す)
この2つを使って、重心が足裏中央に来るように背骨の形を作るのです。
体幹(体の芯の筋肉)の筋肉を使って、骨盤を立たせて、背骨を良い形するのです。
骨盤を立てせるという意味は、こちらに記事をお読み下さい。
背骨の良い形とはどのような形か?
自然なS字カーブを描くのが背骨の良い形と言われています。真っ直ぐ過ぎてもダメですし、丸さが目立つところがあってもダメです。S字が良いからといって、そのカーブの角度がきつくてもいけません。
背骨のどこが少し反り、どこが少し丸くなるのかを知ることが重要なのです。そして、正常な背骨のカーブを知る上で必要なのが腰椎と胸腰椎部(背中と腰の間の背骨)形です。
上の図を参考にお読み下さい。通常、一般的に言われてきたことは、「腰の背骨は、すこし反っている」ということですが、腰の骨は5つあります。その5つあるうちの下の2つ(L4とL5)は、反ってはいけないのです。ほぼ真っすぐをキープする必要があります。
腰椎の3番目(L3)から少しづつ前に反り、胸腰椎部の10番、11番(Th10,Th11)くらいの位置、胃の真裏(みぞおちの裏)が、S字カーブの反りの頂点になります。
そこから穏やかに反った背骨のカーブが戻りながら、背中で軽く丸いカーブを描くのです。
これが、左側の図にある正しい姿勢を作る上での背骨の形です。
右側の図にある誤った姿勢を見て下さい。
腰の一番下の背骨(L4,L5)から反るようにS字のカーブを描いています。そうすることで、胸腰椎部(Th10、Th11)は、正しい左図の背骨とは逆に、反るのではなく、早くも丸くなっています。つまり、真逆の背骨の形になってしまうのです。
意識的には、腰はまっすぐをキープです。下腹部を締めて、骨盤を立てることができれば、腰椎は反ることなく真っ直ぐになってくれます。
その状態をキープしたまま、みぞおち(胃の辺り)を前に出して下さい。この時に、背骨が硬い人は、前かがみになるような感じがします。
そのように感じる時は、ただ上半身を前に倒しているだけか、みぞおちより上の胸や鎖骨を出すような感じになっています。もっとお臍のすぐ上を前に出す意識をして下さい。
正しい姿勢で下腹とみぞおちの位置関係が変わる
左の図は、踵(かかと)重心で下腹部緩み、骨盤が倒れている時は、みぞおち(胃の辺り)より下腹が出ています。体幹(体の芯の筋肉)が全く使われていなく、背骨を良い形に作っていない状態です。
右の図は、下腹部が締まり、骨盤が立ち、体幹(体の芯の筋肉)を使っています。みぞおちを出すことで勝手に背筋が使われて、背骨が良い形になるのです。
そして、下腹とみぞおちの位置関係が真逆に変わります。みぞおちより下腹が出ていたのに、みぞおちが下腹より出るようになるのです。
この位置関係こそ、正しい姿勢の基準となります。
この時に気を付けてほしいことは、出っ尻にすることで、下腹よりみぞおちが前に出ますが、それでは意味がありません。骨盤を余計に前に倒すことで重心を無理やり、つま先方向へ移動しているだけになります。しかも、背骨のカーブをきつくする事と同じなので、腰痛や反り腰、猫背も悪化することになるのです。
正しい姿勢ができたところで、全体の立ち方もチェックしてみましょう。
正しい立ち方・きれいな立ち方のセルフチェック
正しく立てているかどうかのチェックポイントは7つ。
1、もも前が緩んでいる
2、下腹部が締まっている
3、腰が反っていない
4、お尻が柔らかい
5、みぞおちが出ている
6、重心が足裏の真ん中(土踏まず)にある
7、肩に余計な力が入っていない
正しく体の軸を骨盤と背骨で形作ることができると、色んな所の力が抜けます。
下腹部を締め骨盤が立つことで、今まで上半身の重みを腰で受けていたものが、下腹部で重みを受けることになります。腰をお腹から支えることになるのです。
下腹部には関節も骨もありませんから、負担を受けたとしても摩耗することがありません。下腹部が腰の骨への衝撃や負担を減らす役目にもなり、尚且、腰の筋肉も頑張らずに済む様になるのです。
今まで、体幹の力が抜けた状態で、しかも踵重心だったわけですから、後ろに倒れるのを防ぐために、お尻やもも前、ももの横の筋肉が頑張って支えていたのです。ですから、普通に立っているつもりでも、もも前、お尻、もも横の筋肉は硬かったのです。
正しい立ち方は痩せる立ち方である
正しく立つとそのお恩恵が下半身に現れてきます。
痩せる立ち方はないの?
足が細くなる立ち方はないの?
足が細く見える立ち方はないの?
前もも張らない立ち方ないの?
太ももやせる立ち方はないの?
むくまない立ち方ないの?
これらの立ち方を探している人は、すべて、誤った踵重心の立ち方だったのです。
足が太くて困っている人のほとんどは、前ももと横ももの張りです。太っているのではなく、筋肉が張りつめているのです。
むくむ人も、張りつめた筋肉によって静脈やリンパを圧迫されています。むくみの原因の詳しくはこちらの記事をお読み下さい。
正しい立ち方をすれば、もも前、もも横、お尻、この3箇所全てが緩んでくれます。
張りつめた筋肉が緩めば、勝手に細く見えてくるのです。
もう一つ、細く見えるポイントがあります。
今までは、下腹ともも前を体より前に出していたのです。遠近的に前のものはより大きく見えるのは当たり前だったのです。
正しい姿勢で正しく立つことによって、みぞおちが前なのですから、下腹と共にもも前も体より後ろに来ます。そうすることで、遠近的にも当然、足は細く見えるようになるわけです。
正しい立ち方に膝の伸び過ぎが関係する
立った時の膝は本来、伸び過ぎずに軽く曲がっています。ほんの2.3度です。ですが、膝が元々伸びすぎる人がいます。これを膝の過伸展と言いますが、関節の柔らかい女性に多いのです。
膝が伸びすぎてしまうことのデメリットは、骨盤が前に倒れやすくなってしまうことです。倒れやすいので、より強力な下腹部の締めが必要になります。
しかし、そうしなくても膝の過伸展を予防する方法があります。それは、足の指で地面を押しておくことです。そうすることで、ふくらはぎの筋肉が収縮し、膝の伸び過ぎを防いでくれます。足の指で地面を押しておく癖をつけると良いでしょう。
逆に膝が伸びない人もいます。膝が伸びないということは、スクワットを途中で止めているようなもので、いつもひざを曲げて耐えているのです。
もも前の硬くなった大腿四頭筋が骨盤が前に倒すように引き付けてしまいます。その結果、骨盤を立たせづらくさせるのです。ですからスクワットもお勧めしていません。スクワットをお勧めしない理由は、こちらYouTubeをご覧ください。
さらに膝が伸びづらくなると、膝のお皿の動きを止めてしまいます。
お皿が正常に動くことで、大腿四頭筋は強く収縮しますが、縮まることが出来なくなるのです。その結果、地面を押すという動作ができなくなり、正しく歩けなくなるのです。
膝の伸びを良くする方法こそ、もも裏歩きです。股関節をしっかり後ろに運ぶ事で、膝裏も伸ばされます。膝が伸びない人は100%歩き方に問題があるのです。今まで足を前に投げ出して歩いていた証拠とも言えます。
この記事のまとめ
・立ち方に個性はない。正しく立てば皆同じ
・正しい立ち方は正しい姿勢から
・世の中には間違った立ち方の情報がいっぱい
・正しい立ち方を癖にできるかは、色んな事が関係する
・正しく立つと腰痛、反り腰、猫背も改善する
・体の重心は足裏の真ん中
・下腹部を締めて、みぞおちを出す
・本当に正しい背骨の形を知る
・みぞおち前、下腹部うしろ
・正しく立つと色んな所の力が抜ける
・足が太く見える原因は立ち方にもある
・膝は伸び過ぎても伸びなくてもダメ
さぁ、これで準備完了です。正しい姿勢で正しく立つと、お尻ともも裏を使えるようになります。使えるようになれば、股関節の後ろへの運びが行われて、もも裏歩きになるのです。
コメントを残す