毎日ウォーキングを習慣づけることで、血行が良くなり、運動不足解消や体温上昇などの効果を得られることは、周知の事実ですが、更なる効果を得られるのはご存知でしょうか?
ウォーキングによる副産物ともようなことがいっぱいあるのです。一石二鳥どころか一石三鳥くらいの相乗効果を発揮してくれます。
この記事では、血糖値に注目して、より効果的に下げるウォーキングの仕方をご紹介します。
目次
糖尿病とはどんな病気?
血液の血糖値(血液中のブドウ糖)が下がらずに、正常より高い状態が続く病気です。血糖値が高くなると血液中のブドウ糖が処理しきれず、尿へと流れ出ていきます。この状態が、糖尿病といいます。
空腹時に検査をして、正常値は110mg/dlと言われています。110mg/dl以上になると高いと言われ、将来糖尿病になるリスクが高くなります。
もう一つの指標が、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値です。
血液中のヘモグロビンと糖がくっついた「糖化ヘモグロビン」の割合を検査するものです。
HbA1cは過去1~2ヶ月前の血糖値を反映しますので、当日の食事や運動など短期間の血糖値の影響を受けません。過去1~2ヶ月の平均的な血糖値を知ることができるので、より信憑性の高い検査と言えます。
正常値は6.2%未満がと言われています。6.2%以上になると高いと言われ、糖尿病である可能性が高くなります。
糖尿病の種類とは?
血糖が上がると言えば糖尿病ですが、1型と2型があるのはご存知だと思います。しかし、その区別を知らない人もたくさんいるので、説明していきましょう。
1型糖尿病は、生活習慣に関係なく、なってしまう病気。
糖尿病といえば、お酒の飲みすぎ、食生活の乱れ、肥満などを空想してしまいますが、1型糖尿病の人は、生活習慣に関係なく発症する糖尿病です。
膵臓からは、血糖値を下げるインスリンがつくられますが、そのインスリンを作り出す細胞を自分で壊してしまう病気なのです。
自己免疫疾患と言い、例えるならアトピーや関節リウマチの膵臓バージョンと考えるとわかりやすいと思います。
体内に入ってきたウィルスが関係していると報告もありますが、現在のところ明確な予防策はありません。生涯にわたって血糖のコントロールが必要ですが、食事の制限や運動療法は必要ありません。
2型糖尿病は、糖尿病の95%の人がこれにあたります。
その中にも2つのタイプがあります。
「ストレス」、「肥満」、「運動不足」、「暴飲暴食」などの生活習慣により、
2型糖尿病(1)
血糖値を下げるためにインスリンを出しすぎて膵臓が疲れ果てた状態です。
分泌能力が低下してしまうタイプ。暴飲暴食が主な原因。
2型糖尿病(2)
血糖値を下げるために貯蔵するための肝臓や筋肉に抵抗されるタイプ。
「脂肪肝」や筋肉に脂肪がつく「脂肪筋」が主な原因。
膵臓で作られるインスリンの仕事とは?
・ブドウ糖(エネルギー)が細胞の中へ取り込まれるように、働きかける。
・エネルギーが切れてしまわないように、ブドウ糖を貯蔵しておくことの出来る物質【グリコーゲン】に変えて、肝臓や筋肉に蓄積する。
・肝臓で蓄積されず余ったブドウ糖を中性脂肪として脂肪細胞の中へ取り込む。
肝臓も関係してきます。
インスリンの分泌が減少したり、脂肪肝になると
・肝臓にグリコーゲンとして貯蔵できなくなる
・血糖値が下がっても肝臓で貯めたブドウ糖(グリコーゲン)使わなくなる
・肝臓でグリコーゲンではなく脂肪として蓄えるようになる
筋肉も関係してきます。
インスリンの分泌が減少したり、筋肉に脂肪が増えると
・筋肉にグリコーゲンとして貯蔵できなくなる
・血糖値が下がっても筋肉で貯めたブドウ糖(グリコーゲン)使わなくなる
・貯蔵できるグリコーゲンの量が減る
生活習慣も関係してきます。
「ストレス」‥‥酸化ストレスを発生させ、動脈硬化をすすめ、内臓機能の低下をもたらす。
「肥満」‥‥膵臓や肝臓、筋肉に脂肪が付き、インスリンの効きを悪くする
「暴飲暴食」‥‥インスリンを過剰に使うため、膵臓が疲れ切り、インスリンの分泌が減る
そして、「運動不足」がもう一つの要因となるわけです。
糖尿病の固有の症状とは?
初期の糖尿病では明らかな自覚症状はありません。糖尿病を発症し、5~10年経って初めて、症状が現れます。
1、尿の回数と量が増え、のどが異常に渇き、水分をたくさん摂る
2、体がだるい、疲れやすい
3、口臭や体臭が甘酸っぱいニオイに変わる
4、切り傷やその他の皮膚の傷が治りにくい
5、皮膚が乾燥して痒い
6、食べているのに痩せる、また、空腹感を強く感じ、たくさん食べる
このような症状が長く続く場合には、合併症の恐れも出てきます。
糖尿病の合併症の中でも、三大合併症と呼ばれるものを見ていきましょう。
糖尿病の三大合併症とは?
血糖値が高い状態でいると、ブドウ糖が酸素を吸い取る「還元性」タンパン質とくっつく「終末糖化産物」
血管の酸素が取られ、血管を壁を作るタンパク質とくっつくんですから、血管が壊れるにきまってます。
太い血管は壊れませんが、毛細血管はやられてしまうわけです。
糖尿病神経障害
足先、手先、ビリビリ、ジンジン。その他にも筋肉の萎縮、便秘や下痢、胸やけや消化不良、勃起障害などが起きます。
糖尿病網膜症
目の毛細血管が犯されることで、それを補おうと別の血管が勝手にできてします「血管新生」と呼びます。
そのできたしまった血管も次々と侵され、網膜が濁ってしますのです。
糖尿病腎症
腎臓は毛細血管のかたまりです。血管が傷つけられて腎不全になります。最終的には、腎臓の血液濾過機能が働かなくなり、体中に毒素が蓄積してしまうので、人工透析によって血液を浄化します。
血糖値を下げるのにウォーキングが最適な理由
血糖値が少し高いと言われている人にとって、運動の中でもウォーキングは最強です。
ダイエットのためのウォーキングは、空腹時が良いとされていますが、それとは異なり、血糖コントロールのためのウォーキングは、食後1時間以内にウォーキングすることで、血糖値の上昇を防ぎ、血管へのダメージを減らしてくれます。毎食後10分~20分行うと良いとされています。
ダイエットに効率的なウォーキングは、下の記事を参考にして下さい。
血糖値を下げるのにウォーキングが最適な理由は次のとおりです。
1,ストレス発散と言っても、運動嫌いな人にとって激しい運動は逆にストレスですが、ウォーキングなら、抵抗なく行える。
2,肥満の人が、激しい運動をすると体重のせいで、体があちこち壊れるが、ウォーキングは安全である。
3,ブドウ糖を使うので、血糖値が下がる。
4,筋肉量を増やし、グリコーゲンの貯蔵量を増やすで、血糖値を下げる。
5,ウォーキングは全身運動なので、筋肉の中の脂肪を減らしてくれる。
6,ウォーキングは全身運動なので、内臓脂肪も落ちやすい。
7,大きい筋肉は下半身に集中している。
ただのウォーキングでは効果が低い
血糖値をコントロールを目的とするなら、筋肉量を増やしていく必要があります。筋肉量が増えれば増えるほど、ブドウ糖を使ってくれるからです。
さらに、できるだけ大きい筋肉や複数の筋肉を同時に鍛えたほうが効率がアップします。
普通の歩き方ともも裏歩きを比較してみましょう。
脚を前に出す普通のウォーキングの場合
正しい姿勢を作らずに、脚を前に投げ出すような歩き方をしていたとします。歩幅を前に広げ、体の位置まで戻ってくると、反対の足を前に出すような歩き方です。
かかとに体重が乗っているため、体より後ろへ股関節を広げらず、足首で地面を押すこともありません。
使われる筋肉はというと、ももの前と足のすねくらいなものです。
脚を後ろに引くもも裏歩きウォーキングの場合
脚を後ろに大きく引き、体より後ろへの歩幅を広げる歩き方です。
正しい姿勢を作ることで、重心は足裏の真ん中に来ます。体より後ろへ股関節を大きく動かします。最後に足首と足の指で地面を押します。
正しい姿勢は、下の記事を参考にして下さい。
使われる筋肉はというと、お尻、もも裏、もも前、ふくらはぎ、下腹部、背筋など、こんなに使われます。
特に、大きな筋肉である広背筋(背筋)と大殿筋(お尻)、ハムストリング(もも裏)を強く使うことになるので、ブドウ糖を筋肉で消費するには最適と言えます。
血糖を下げるだけではなく、筋肉量が増え、筋肉の中に脂肪がつく「脂肪筋」を減らす効果もあるので、インスリンの効きを良くしてくれます。
その結果、膵臓への負担も軽くなり、膵臓の機能低下によるインスリンの分泌減少の悪化も防ぐことになるのです。
効率よく、ブドウ糖を使うことで、内臓脂肪を抑制し、肝臓の機能を回復させる効果もあるります。グリコーゲンとしての貯蔵と、必要な時のグリコーゲンの使用サイクルが上手に行えるようになるのです。
血糖を下げ、血管を守る歩き方として、もも裏歩きウォーキングが最適であるということがお解り頂けたとお思います。
しかしながら、暴飲暴食を避け、ストレスを貯めないようにすることも忘れてはいけません。是非、同時進行で行うことがベストです。
この記事のまとめ
・血糖値とHbA1cの両方の値を調べることで、診断される
・糖尿病には1型と2型があり、1型の人は食事制限がない
・2型糖尿病にも2つのタイプがある
・インスリンの働きに肝臓と筋肉が深く関与している
・糖尿病固有の症状がある
・血糖値が高いと毛細血管を壊す
・糖尿三大合併症といわれる病気がある
・血糖値を下げるのにウォーキングが最適な理由がいくつもある
・ただのウォーキングでは効果が低い
・もも裏歩きウォーキングは大きな筋肉をたくさん使う
コメントを残す